iPhone+WiMAXの運用方法を構築しきれなかった話
iPhoneの通信費が結構かかっているのが気になり始めて,もっと安くできないのか検討しました
この記事の対象読者
ソフトバンクモバイルのiPhoneユーザで通信費を抑えたいと考えている人
要約
- 2年周期で乗り換えるならば通常の契約から外れることにメリットは少なそうです
- 通話料を抑えるためにはLINE電話あたりを用いればよいと考えます
- 通信の際にはSNSを使うことでキャリア依存を低減できる
追記(2014年10月22日 0:14)
iPhone6から各社の料金形態が変更になったことで,本稿を書いたときとは前提条件が変わりました.自分のような使い方をしている人は,SIMフリーiPhone+MVNOへ乗り換えることで,2年間以上利用した際のトータル料金を安くできる可能性が高いです.
運用方法を再考した理由
- 携帯料金を高いと感じたので他の手法がありうるか検討したくなった
- WiMAXを利用したかった(最も重要な理由)
上の図が自分の携帯料金です.ソフトバンクでiPhone5を使っています.iPhone4からの乗り換えで,割引等が一年間ほどあったのですがなくなりつつあり(ホワイトプラン半額と,下取りの割引があったが現在すべてなくなっている),現在基本料だけで7000円を超えています.これは高いので,なんとか安くならないかと考えました(1項).
また,生活環境の事情で頻繁にテザリングを用いているのですが,通信量が多く月7GBの制限にひっかかる可能性があるため,後述する通信量無制限のWiMAXを用いることで現在よりもよい通信環境を構築できるのではないかと考えました(2項).
現在のiPhoneの運用方法
- 電話:通常の電話
- メール:キャリアメール
とごく一般的なユーザーです.Jailbreakなんかもしていません.
なお上記携帯料金のうち通話料は多い時で600円ほどかかっています.
コスト削減の手法:通話料を減らす
通話はSkype等のネットワークを介した通話のほうが(音質は粗悪ですが)安いのでそちらへの以降すれば大幅に下げることが可能です.
通話料削減:SNSやFaceTimeを使う
LINE, WhatsApp, Facebook(Messenger), Googleハングアウト(旧Google Talk)*1等多くのソーシャルサービスが流行っています.これらは無料で電話もできる機能が備わっているサービスが多いです.私の周りの人はLINEとFacebookユーザが多いため,その人達に電話をする際にはこれらのアプリから通話をしています.
また,双方がiPhoneユーザの場合FaceTimeやFaceTime audio(通話のみ)という通話を無料でできる機能がデフォルトで備わっているためそれを用いています.
問題は固定電話に電話をかける時です.これもSkypeやLINE電話で行うことができます(LINE電話は2014年4月現在iOS版では出ていないが対応予定).しかし番号が非通知になってしまいます.番号通知をするサービスもあります.例えばSkypeでは固有の番号を取得でき,それを相手側に表示することができます.ただし日本だと2014年4月現在対応していないため,非通知が拒否される場合にはお手上げです.相手に自分の番号を通知し,かつ料金を下げたい場合,「楽天でんわ」のような一度海外を経由することで通話料を下げるサービスを用いるとよいでしょう.
LINE電話や楽天でんわといったVoIP+回線交換網*2を用いた会話は,レビューを読むと音質は通常の電話よりも下がるようです.しかし,通話には十分のようです*3.
具体的な試算は下記サイトあたりを参照するとよいでしょう.
コスト削減の手法:データ通信を減らす
「運用を再考した理由」に記述した理由でWiMAXを用いたかったのですが,それならば契約プランを変更することで低コストにならないかと考えました.
WiMAXを使うことによるメリットとデメリット
- メリット
- WiMAX(WiMAX2+)回線が使えるので通信速度が早い
- 月7GBの通信量制限がない
- デメリット
家庭にWifiや有線環境がある場合,月間7GBの通信量に達する人は少ないと思うので,そういう方々にWiMAX運用をするメリットはほぼないと思います.
試算1:パケット定額料金プランの変更+WiMAXを使った場合
当然ですがもう試算をしてくれている方がいるので結果のみ使わせていただきます.詳しい数字はリンク先の記事を参照ください.
パケットし放題フラットとパケットし放題の差額は3885円/月
iPhoneのパケット定額サービスを「パケットし放題フラット」(月額固定)から「パケットし放題」(従量課金)へ契約変更するときの注意点 | jMatsuzaki
さてWiMAXを2年縛りで使った場合3696円/月なので,これで200円弱/月安くすることができますが,端末代のほか入会金が別途かかります.端末代はタダもありえますが入会金3000円を解消するためには15ヶ月ほどかかりますね.なのでほぼ金銭的なメリットはありません.
試算2:格安SIMを使った場合
(そもそもソフトバンクモバイルはSIMフリーではないため,現在ソフトバンクでiPhoneを契約しているユーザがすぐこの手法を用いることは不可能です)
AppleStoreでSIMフリー端末(iPhone5 16GB)を購入し,格安SIM+WiMAXを契約した場合と,ソフトバンクで契約した場合の運用コストの試算をしてみました(ざっくり計算です)これを見れば分かる通り,2年間運用後売却すると考えると,13000円程度の価格差になることになります.契約手続きの煩雑さや導入のメリット・デメリットを加味すると,あまり人にはおすすめできない運用です.また,見積り価格はシビアに下がるので,気をつけてiPhoneを使わなければいけないというストレスもあります(お風呂場でつかえなかったり).
本体料金 | 2年後見積り価格 | 月額料金 | WiMAX月額 | 2年間運用した場合の合計 | |
SIMフリー | 67800 | 30000 | 540(格安SIM) | 3696 | 139464 |
SoftBank | 0(2年縛りで実質無料) | 10000 | 6530(1年目),7020(2年目) | - | 152596 |
なおSoftBankの契約の内訳は以下で,1年目はかいかえ割で基本使用料の半額の467×1.05円引かれています.
ホワイトプラン | S!ベーシックパック | パケット定額 | 合計 |
1080 | 324 | 5616 | 7020 |
キャリアメールが使えないことの解決策
キャリアメールが使えないことの問題点は3つありました.そのうちいくつかは妥協案があります.
- キャリアメールのチャット形式が利用不可能
- キャリアメール以外のメールを受信拒否する設定にしているユーザとのメールが困難になる
- キャリアメールでないと登録できない認証サービスの利用がめんどうになる
- 根本的な解決策はありませんが,回避策は必ず存在するので多少不便ですが使えます.
プッシュ通知ができないことの解決策
プッシュ通知ができないことに有効な解決策は現状(2014年4月現在)ありません.このことについて説明するため,まずWiMAXの運用方法についての事前知識が必要です.
WiMAX運用には次の前提があります:
この場合,プッシュ通知をうけることができない問題が発生します.通常はモバイルデータ回線経由でプッシュ通知がくるようですが,これをオフにしているためうけることができません.しかしWiFiに繋がっていればプッシュ通知対応のアプリでメールをプッシュすることは可能です(前述のMMS代替アプリHopもプッシュに対応しています).しかし,WiMAX端末の省エネモードにする場合,常時接続ではないためにプッシュ通知をうけることができません*6.このような理由により,メールのプッシュ通知を受け取ることができません(通話の着信は可能のようです).常時ネットワークに接続していないとプッシュ通知がうけられないということです.この解決策は,現状では見つかりませんでした.
なお,AndroidではTaskerというシステムを制御するアプリを用いることで解決可能のようです.
*1:Googleハングアウトは要Google+アカウントで敷居がやや高めです(通常の場合,実名プロフィールをネットに公開することになるため).
*2:[いよいよ登場の「LINE電話」速攻レビュー] 話題の格安通話をどう使う? - ケータイ Watch
*3:LINE同士の会話といったVoIPのみを用いた通信はさらにそれより質が落ち,あまり使いたくないと感じるレベルですが
*4:僕の体感で1~2割ほど
*5:銀行系のオンラインサービス等.回避策はあってもめんどくさかったりする
*6:WiMAX端末が省エネモードの場合,自発的にネットワークに接続しようとしない限りネットワークからiPhoneは切断されている状態になります.iPhoneからブラウザを起動するなどのアクションを取れば即座に通信を開始します.