OS X YosemiteのiOSとの連係機能を設定する方法
この記事で説明すること:Yosemiteの連係機能がうまく使えない人へ
OS Xの最新バージョンYosemiteの機能は特にiOSとの連係が魅力と個人的に感じます.それらの機能を利用するために必要となる設定項目を解説します.
Apple的には特に説明をしないでも動くようにしていると思うのですが,私の環境ではうまく動作しない機能もあったため,動作できるようにした際の設定をまとめました.
個人的な検証に基づいた記載なので,勘違いがあるかもしれません.誤りを見つけた方はご一報くださいますと助かります.
本記事で解説する機能
- 電話:iPhoneの電話をMacで利用する
- Handoff:作業をデバイス間でシームレスに移行する
- Instant Hotspot:テザリングをMacだけで行う
- AirDrop:iPhone,Mac間のファイル送受信
- おまけ:通知センターからTwitterに投稿する
本記事で解説しない機能
- SMS:SMS, MMSをMacから送信する
こちらにまとめました↓
- この記事で説明すること:Yosemiteの連係機能がうまく使えない人へ
- 電話:iPhoneの電話をMacで利用する
- Handoff:作業をデバイス間でシームレスに移行する
- Instant Hotspot:テザリングをMac側だけで行う
- AirDrop:iPhone,Mac間のファイル送受信
- おまけ:通知センターからTwitterに投稿する
- 更新履歴
前提
- Mac,iPhone/iPadにそれぞれOS X Yosemite,iOS8がインストールされていること.厳密には,必要となるiOSのバージョンは各機能ごとに異なります.Appleによれば次のとおりです*1.
- 各デバイスとも同一のiCloudアカウントでログインしている
- 同一のiCloudアカウントにMac,iPhoneともに登録されている
- Bluetooth 4.0に対応するMacを利用している
YosemiteのiOSとの連係機能をフルに利用する場合,どのデバイスも一つのiCloudアカウントでログインしてください.通常の利用の場合,特に意識せずともそうなっていると思います.
2,3の条件がどの機能に必須なのか理解できていないので,検証した方がいればお教え下さい. 4の条件はHandoff,Instant Hotspot,AirDropに関しては必須のようです*3 .電話に関しては検証していませんがWi-Fiを利用するためおそらく不要です.ただし後述しますがFaceTimeの設定が別途必要になります.
iCloudへのログイン方法
MacおよびiPhoneにおいて,同一のiCloudアカウントでログインしないとHandoffやInstant Hotspotを使うことはできません,
iPhone側でのログイン方法
設定 > iCloud からログインする
Mac側でのログイン方法
システム環境設定 > iCloud からログインする
検証環境
iPhone:iOS 8, ver.8.0.2
Mac:OS X Yosemite, ver.10.10
電話:iPhoneの電話をMacで利用する
できるようになること
下記の設定をしておくと,iPhoneへの電話回線を使った着信がMacに通知され,FaceTimeで着信の操作ができるようになります. いままでもMacとiPhoneの間でFaceTimeアプリによってネットワーク回線を利用した通話はできましたが,Yosemiteでは,MacからiPhoneの電話回線を使った発着信ができるようになりました.
利用するための設定
共通の設定
両方のデバイスが同一のWi-Fiネットワークに接続していないと利用できません.その場合に例えばMacのFaceTimeアプリを使って,iPhoneから電話回線を利用した発信*4をしようとすると下図のようにエラーが出ます.
iPhone側の設定
Mac側の設定手順
参考
OS X Yosemite:「iOS 8」との連携でiPhoneの電話機能をMacでも使えるように | Linkman
Handoff:作業をデバイス間でシームレスに移行する
できるようになることの例
利用するための設定
共通の設定
iPhoneでBluetoothをONにする
MacでBluetoothをONにする
iPhone側の設定
- 設定 > 一般 > Handoffと候補のApp > HandoffをONにする
Mac側の設定
使い方
iPhoneで行っていた作業をMacで引き継ぐ
例:iPhoneで書いていたメールの続きをMacですぐさま書く
注意点
iPhoneで行っていた作業をMacで引き継ぐ場合,iPhoneを起動しているときのみ,Mac側でHandoff対応アプリのアイコンがランチャーに表示される.iPhoneをスリープにすると消えてしまうので注意.
# 追記 2014/11/19
iOS8.1, OSX 10.10.1にしたところ,ブラウザの閲覧ページを同期する際に,Mac側のデフォルトブラウザでページを開くように挙動が変わったみたいです.いままではiPhoneでSacariを開いた時にMac側では常にSafariのアイコンが出現していました.
私のデフォルトブラウザはGoogle Chromeなのですが,Chromeのアイコンが出るようになりました.ただしクリックしてもページを開いてくれません.不具合かな?
Macで行っていた作業をiPhoneで引き継ぐ
- MacにおいてHandoff対応アプリで作業を行う
- iPhoneの待機画面の左下にHandoff対応アプリのアイコンが表示されるので上にスワイプする
- アプリが起動し,Macで行っていた作業が再開できる
例:MacのMapで目的地までのルートを調べ,iPhoneですぐさま同じMapを開いてナビを使う
Mac上でMapアプリを立ち上げ,目的地を入力します.
iPhoneの待機画面にMapアプリのアイコンが表示されるので,以下の操作をします.
なお,待機画面の壁紙は兎鷺さんの漣ちゃんを使わさせていただいています.めっちゃかわいい!
ラクガキ。
漣さん。 pic.twitter.com/IuaFfnwqr7
— 兎鷺/コニリオ/クソ提督 (@toro1234) 2014, 8月 9
うまくいかない場合の対処法
- Bluetoothのペアリングをやりなおす
Mac,iPhoneともにBluetoothをOFFにして,ONにしなおす*5.
再度ログインすることで,うまくいくという報告があります*7.
Instant Hotspot:テザリングをMac側だけで行う
できるようになること
いままでテザリングを行う場合,iPhone側でインターネット共有をONにしなければなりませんでした.しかし今回のアップデートで,たとえiPhone側のインターネット共有設定がOFFでも,Mac側から直接ONにすることができるようになりました.
利用するための設定
- MacとiPhoneのBluetoothをONにし,ペアリングをする
上述のHandoffを利用するための「共通の設定」と同じなので,上の図解を参考にしてください.
他の紹介記事でWifiもONにしなければならないという説明されていることがありますが,そんなことはありません.
接続/切断方法:成功しているときの画面
Mac側で認識に成功すると,Wi-Fiの接続設定に「インターネット共有」という項目が出現し,iPhoneの名前が表示されます.これをクリックするとインターネット共有が開始されます.自動的にiPhoneのWi-FiもONになります.
インターネット共有中は,同画面に「切断」項目が出現し,それをクリックすることで共有を中止できます.
注意点
以下のような挙動の違いがありました.iOS8.1での挙動のほうが便利なため,iOS8.1での利用を強くおすすめします.そもそも上述の通りAppleのHPに記載されている動作条件はiOS8.1となっています.
iOS8の場合の挙動
- iPhoneにパスコードロックをかけている場合,一度ロックを解除しないと認識されない
一度認識させた後はiPhoneはロックしても,Macをスリープさせても認識するようです.
一度ロックを解除しないといけないので,「iPhoneを鞄に入れたままMacを起動してネットサーフィン」という流れは,Mac起動直後にはできないのが難点.
接続が成功することは何度確認しましたが,成功した設定でも,時間をおいてもう一度試すと成功しない場合がありました(それでまた何度か試すとできたりする).見落としている条件があるかもしれません.
iOS8.1の場合の挙動
- iOS8の場合とは異なり,iPhoneにパスコードロックをかけていても,Macを起動したらすぐに利用することが可能でした.
- Mac側からiPhoneとの接続を切断すると,iPhone側のインターネット共有はOFFになるようです.ただし,Wi-FiはONのままです.
うまくいかない場合の対処法
Instant hotspotは便利なんですが,設定の成否が不安定な印象です.つまり,同じ環境でも,できたりできなかったりすることがあります.例えば私は最近iPhone5から6にのりかえたのですが,5ではできても6ではできなかったり,できたと思っても接続後にインターネット共有がOFFにならなかったりしました.
実際には上の設定をすればできるはずなんですが,Appleにおける検証環境と我々の環境は違うので,見落とされている不具合があるのでしょう.MacやiPhoneを再起動した後に,設定をいちからやり直すことでできる場合があります.
AirDrop:iPhone,Mac間のファイル送受信
できるようになること
iPhone,iPad,Mac間でのファイル送受信.
いままではiOS端末(iPhone,iPad)同士でしかAirDropでファイルの送受信ができませんでしたが,今回のYosemiteからはiPhone/iPadとMacの間でファイルのやりとりができるようになりました.
利用するための設定
iPhone側の設定
Mac側の設定
- BluetoothをONにする
iPhoneからMacに画像をおくる手順
MacからiPhoneに画像をおくる手順
- 画像を開く
- 上述の手順と同様にアイコンを押し,AirDropを選択する
- 表示された指示通りに作業を行うことでファイルが送受信される.
おまけ:通知センターからTwitterに投稿する
「通知センターからTwitterに投稿できる機能が消えた!」と嘆いていたのですが,SNSウィジェットから投稿できました.下の動画に設定方法をまとめました.
Twitterのアイコンを押すと常に入力部が出ます.キャンセルボタンを押さない限り,通知センターを表示させるたび常にこの画面が出ます.
更新履歴
- 2014年10月18日 20:11 通知センターからTwitterに投稿するための手順をまとめた動画を公開
- 2014年10月18日 21:16 iCloudへのログイン方法を追記
- 2014年10月18日 22:55 Handoffの具体例を追記
- 2014年10月19日 0:27 Instant Hotspot,Handoffに図解を追加
- 2014年10月19日 1:18 iPhone側の設定の図解を追加
- 2014年10月19日 12:11 設定手順の文章の構成を統一
- 2014年10月19日 12:29 検証環境を追記
- 2014年10月19日 12:42 BluetoothをONにする図解を追加*8
- 2014年10月19日 13:08 電話の発着信について,いままでのFaceTimeでできることと何が違うのか説明を追記.
- 2014年10月20日 12:56 HandoffやInstant Hotspotがうまくつながらないときの対処法を追記
- 2014年10月21日 12:24 「前提」節のiOSのバージョンについて調査した結果を追記
- 2014年10月21日 13:51 「本記事で解説しない機能」について追記
- 2014年10月21日 23:19 Instant HotspotのiOS8.1での挙動を追記
- 2014年11月6日 2:05 Handoffがうまくいかない場合の対処法への参考リンクを追記
- 2014年11月19日 22:23 Handoffのブラウザ起動の挙動変更について追記
- 2014年11月21日 3:06 Instant Hotspotの挙動が不安定なことについて追記
*1:参考:Apple - OS X Yosemite - Mac + iOSの連係
*2:参考:AirDrop works between Yosemite and iOS 7 - MacRumors Forums
*3:参考:OS X Yosemite:iOS 8デバイスとの、Instant Hotspot、Handoff、AirDropは、Bluetooth 4.0(BLE)仕様のMacでのみ利用可能 | Mac OS X | Macお宝鑑定団 blog(羅針盤)
*4:FaceTimeのアプリを使ったネットワーク回線を利用した通話(=FaceTime)のことではありません.通常のFaceTimeはネットワーク回線を使った通話なのでiPhoneなしでも利用できます.
*5:参考:OS X Yosemite最悪のバグと対処まとめ : ギズモード・ジャパン
*6:個人的には面倒くさいのであまりやりたくない作業だったので出来る限り避けていました
*7:参考:iPhoneとMac間でHandoffやAirDropの連携が出来ない時の解決法 | IT Strike
*8:記事の対象は基本操作ができる人なので,あんまりいらないかなと思いつつ対象層を増やすために追加