音楽聴き放題サービスGoogle Play Musicを6ヶ月試してみた
音楽をあまり聞かない筆者がGoogle Play Musicを半年間使ってみて気づいた点をまとめます.
- 要約
- 予備知識:記事を読むにあたって
- 問題:自分が聞きたいタイミングで音楽を聞きたい
- やっていた:iTunes Matchを使っていた
- やってみた:音楽聴き放題サービスに加入してみた
- Google Play Musicを使ってみてわかったこと
- おわりに:定額音楽配信サービスをやめるとき
要約
- Google Play Music結構いいです.機能は公式の紹介動画を見てください.
- 自分の持っている音源をストレスなく出先で聞きたいだけなら,iTunes Matchを検討するほうがローコストです.
予備知識:記事を読むにあたって
音楽の聞き方は人それぞれです.この記事は次のような音楽視聴スタイルを持つ筆者が書いています.その観点での意見として捉えてください.
筆者の音楽観
音質についての考え方
- 音質には過度にこだわらない
- 196kbps の mp3 を 2-3 万円程度のヘッドフォンで聞いて十分満足できる
音楽の好み
- 歌のない音楽を聞くことが多い
- 洋楽はあまり聞かない
- アニメのサントラとか好き
- よく聞く音楽が固定化している.新しい音楽を積極的に探すモチベーションは薄い
新規音楽への感度
- 最新の音楽動向はチェックしていない
- 自分が好きなアーティストも1年に1回ぐらいAmazonで新譜が出ているか確認する程度
- 日常的に音楽を聞く習慣がない
用語
以下の記事では次のような用語を使います.
音源:CDを自分でPCにインポートしたファイルのこと
問題:自分が聞きたいタイミングで音楽を聞きたい
音楽視聴ライトユーザーが音楽を聞くとき
音楽,日常的に聞かなくても生きていける.だけど,友達とドライブしているときや,ふとした時間に「いますぐあの音楽聞きたい!」という状況がある.ドライブしている時に「Star!!」(アイドルマスターの曲)が聞きたくなったりとかする.
こうしたとき,真っ先に思いつくのはiPod/iPhoneのようなポータブルオーディオ機器を持ち歩いておいて,それにイヤホンをつけて聞いたり,あるいはFMトランスミッターやBluetoothでカーオーディオから音を出すという解決策だ.だけど,次のような問題によくぶつかっていた.
いままでの音楽再生環境の問題点
1. 聞きたい時に音源をもっていない
日常的にiPhoneを持ち歩いているけど,PCと独立してアップデートできるため,PCに接続する機会がなく,聞きたい音楽を転送する機会がない.音楽再生装置は持っていないし,日常聞かないので持ち歩くのを忘れてしまう.
2. 音楽を管理するのはとても面倒くさい
音源を管理するのはとてつもなく面倒だ.物理媒体ならCDを買ってインポートしてバックアップをとって……いままでの人生で数百回程度はこれを繰り返しているはずだ.これはiTunesの時代が来てデジタル販売が当たり前になり,劇的に改善された.
しかしまだ問題は有る,聞きたい音源の一部は物理CDでしか売っていない(例えばSplatoonのサウンドトラック).また,音質(音源のビットレート)を気にする人は,未来にさらなる高音質が当たり前になった時のために物理CDを買うだろう.最悪CDで聞くという手段がとれるからだ.
やっていた:iTunes Matchを使っていた
自分の持っている音源をiOSデバイスやPCでどこでも再生できるサービスがiTunes Matchで,2年ぐらい利用し続けていた.これと音楽のデジタル販売を使うことで,上述の問題は解決された.価格も年間4000円程度と安価だったし,既存の自分の持っている音源をいつでもどこでも聞くことができるようになって大満足だった.
iTunes - iTunes Match - Apple(日本)
やってみた:音楽聴き放題サービスに加入してみた
月額料金を払うと,音楽が聴き放題になるサービスは,海外では昔からあった.有名なところだとSpotifyがある(2006年設立のサービスで,Spotifyの説明によれば,2015年現在で数千億円規模の売上規模になっている).
日本で使える音楽聴き放題サービスが増えてきた
Spotifyが著作権上の理由で日本参入が出来ずにいたと記憶しているけど*1,最近になって日本でもApple Music, Google Play Music, PrimeMusic(Amazonの会員限定サービス), LINE MUSIC, AWAなどが利用できるようになった.
お約束の疑問が浮かぶ.
どれ使えばいいの?
価格差はほぼない:月額1000円が相場
これらのサービスに価格の際はほとんどない.月額約1000円が相場のようだ. ただし,一部機能を制限して安くするものや,Apple Musicのように,家族で使うと安くなるものもある.
家族が6人まで、Apple Musicライブラリ全体にアクセスし、好きなだけ楽しむことができます
Music - メンバーシップ - Apple(日本)
Google Play Musicを選んだ:Googleの楽曲推薦技術が見たかった
(ちゃんと選ぶなら,全てのサービスを比較するべきですが,そうはしていないので,論理的な解ではありません.)
当初の僕の要求は以下の二点を満たすサービスでした,
- 自分が既に持っている音源がアップロードできる
- 聞きたい曲がありそう
これらのサービス自体は日本では日も浅く,スケールに不安があった.実際にSonyが昔やっていた同様のサービスはクローズしてる.
さよならMusic Unlimited。終了・失敗の原因7つを探る - XPERIAだけをレビューするブログ。
途中でサービスを乗り換えても良いけど,自分の設定やレコメンデーションに利用される評価データ(視聴履歴や,聞いている音楽を「好き!」とか評価すると,サービス側が学習してそれに似た音楽を探してくれたりするので,その履歴が消えるといちから学習させなければならない.)が消えるのはちょっと面倒だと思った.AppleやGoogleはソフトウェアの技術も資本的にも巨人なので,どちらかを選んでおけば(当面の)サービスの継続性は問題ないと判断した.
AppleかGoogleかを決める判断要素として,Apple Musicは当初邦楽が少ないという記事があった.*2 また,Googleの強み(機械学習やDeep learningを使った推薦)を活かしてくるだろうという期待があったので利用することにしました.
Google Play Musicのうまい価格設定
利用当初,Apple Musicに乗り換えてみようと思い,Google Play Musicを退会しようとしたことがあった.その時,初期登録ユーザは月額料金が安かったことに気付きました.980円のところ780円で利用できていました.一度やめたら再度入るためには以後980円かかる.機能的に満足していたので継続することにしました.
Google Play Musicを使ってみてわかったこと
一言で言うなら,地味に便利.正直,何もない状態からiTunes Matchを利用し始めた時ほどの感動はなかったです.つまり,僕にとっては曲が沢山あるよりも,どこにいても手軽に聞けるというメリットのほうが大きい.
メリット
ボタン一つで適当にいい感じの音楽が聞ける手軽さが魅力
名前は聞いたことあるけど,曲は聞いたこと無いというアーティストを聞く機会が増えました.YouTubeでもそういうことができる現状ですが,ちゃんとした音源をワンクリックで長時間垂れ流せるという気楽さがよいです.気楽さというのがこの手のサービスにおいて,とても大きなポイントだと思います.
自分のように,積極的に自分にとって新しい音楽を聞くことの無い人でも,自分にとって新しく,かつ,いい感じの曲は聞きたいという潜在的欲求はあります.しかし,最終的にめんどくささが勝ちます.そこで,「一瞬で気分がノリノリになる曲」とか「集中できる曲」とか書いてあるボタンを押せばそれっぽい曲をかけてくれるなら,まあ使ってもいいか,という判断になるわけです.
ちょっと聞いてみてもいいかな,が全部聞ける
実際には,殆ど自分が所持している音源(具体的にはガールズアンドパンツァーのサウンドトラック.残念ながらGoogle Play Musicでは配信されていない)を聞いていますが,たまにオーケストラや「カチューシャ」やウィンド・オーケストラとか調べて流したりしています.ガルパンはいいぞ.
すごく聞きたいわけでもないけど,同じ曲ばかりよりは,いろいろ聞ける方がやっぱりよいです.こういう層にリーチするサービスかなと思いました. 多くのアーティストの曲をザッピングできるのは定額サービスならではのメリットと思います.
番外:友達が使っていればプレイリストを共有できる
Google Play Musicを使っている人の間では,おすすめのプレイリストを共有できます.お気に入りの曲の一覧を手軽に紹介できるのは,コミュニケーションの方法を広げます.
デメリット
特定のアーティストの楽曲を期待するのはまだ無理
発売された音楽がすべてあるわけではない.なので,聞きたい音楽が多いサービスを使うのが良いけど,短期の利用ではもちろん分からない.各サービスは一定期間無料で使えたりするので,自分が聞きたい音楽が多いのか確認すると良いと思います.それだって,音楽の趣味は変わるし,未来の時点において聞きたい音楽がそのプラットフォームに入ってくる保証はありません.
実際,聞きたいアニメのサントラはないので.別途iTunes Storeで購入しています.
コストパフォーマンス的には最善ではないかもしれない
多くの音楽が有るからといって,多くの音楽を聞きたくなるわけではないと思います.人によっては,レンタルCDのリッピング+iTunes Matchという運用の方がコストパフォーマンスは良い気がしました(個人的にはアーティストを応援する意味も込めて欲しい音源は買っています).
おわりに:定額音楽配信サービスをやめるとき
サービスを使い始めてから徐々に音楽を聞く日数が増えてきているので,当分サービスを使い続けようと思います.しかし,あまり自分にあっている曲が推薦されなかったり,1年ぐらい使ってみて,結局自分の保持する音源しかきかなかった場合,サービスを退会します.
- アーティスト: 浜口史郎,ボコ(藤村歩),吉田玲子,澤口和彦
- 出版社/メーカー: ランティス
- 発売日: 2015/11/18
- メディア: CD
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