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スマホでとった写真の管理コストを劇的に減らす:Google Photosを活用してみた

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スマホでとった写真を簡単に整理できるだけでなく,見たい時にすぐ見られるサービスを紹介します.

問題:スマホでとった写真の管理がめんどくさすぎる

よくスマホで写真を撮る.旅行に行ったとき,見た目が美味しそうなご飯を食べたとき,路地裏で野良猫を見つけたとき…….スマートフォンにカメラがないなんて考えられない.
写真や動画を撮った分だけ,それらの管理方法に頭を悩ませることになるだろう.僕はこんな経験をよくしていた.

  1. iPhoneのストレージの多くを写真が占めてしまった
  2. 仕方なくPCに写真を転送した
  3. 写真を見せたいときに見せられない
    1. 後からLINEなどで共有したくなったとき,PCに無いから共有できない.いちいち転送するのはめんどくさい
    2. 友達とでかけた時に,見せたい写真のことを思い出したけど,iPhoneにはもうない.PCなんて持ち歩かないので,そのタイミングでは見せることが出来ない
    3. PCで写真をイベントごとにまとめる作業を怠ってしまい,ほしい写真を後から探すことができない
  4. 見せたいタイミングは過ぎてしまった
  5. 活用されない写真がストレージを逼迫する

この話からわかる,解決すべき課題は次のとおりだ.

  • iPhoneスマホ)以外のストレージに写真を置きたい
  • 写真には,いつでもどこでもアクセスしたい
    • アクセス頻度は多くないが,見たい時にすぐアクセスできることが重要
  • 写真をイベントごとに勝手に分類して欲しい.参加者,日時,場所や写っているもので検索したい

やってみた:Google Photosを使ってみた

Google photosをつかうと,上記の問題を解決できる.

公式ページ:Google フォト

容量は無制限.無制限だが,解像度に制限がある*1

  • 写真は1600万画素まで
  • 動画は1080p(フルHD)まで

この基準を超えた場合,Googleが圧縮する*2
ちなみに,1600万画素の写真というのは、ディスプレイで見る限り(印刷するのでない限り)十分綺麗だ.

また,iPhone 6sのバックのカメラは1200万画素なので,写真は圧縮されないはずだ.動画を4Kで取ったりすると圧縮される.

カメラ画素数の比較:iPhone - モデルを比較する - Apple(日本)

Google Photosのいいところ

上の問題を解決できる.いつでもどこでも好きな写真にアクセスできるので,ちょっとした時にすぐ写真が見せられて便利だ.
それ以外にも,Google Photosは便利な点があるので紹介する.網羅的な機能紹介ではないが,個人的に「おっ」と思った点だ.

写真を自然言語で検索できる

「ネコ」とか「桜」といったような人間にとって自然な単語で写真が検索できる.タグ,手動で写真に何が写っているか(メタ情報)を入力することなしに!
(つまり,Google Photosは裏で写真に写っているものが何かを解析し,自動的にメタ情報を付与している)

例えば,僕の写真の中から自動的に認識されたものの一部はこんな感じ.

f:id:motoso:20160327210047p:plain 何がうれしいかといえば,「数年前に山に行ったけど,あの写真,どこにやったっけ」というような管理上の問題に悩まされなくなる

参考:どうしてこんなことができるの?

画像からメタ情報を自動生成するタスクは,専門的には一般物体認識という.ここ数年産業応用をよく目にするようになった技術であるDeep learingをつかった一般物体認識についての一般向けの説明は,以下の資料が参考になる.

自動でのメタ情報の付与は,もちろん間違うこともあり,次のような問題も起こした.

Google Photosが黒人をゴリラと認識した事件で開発者が謝罪 - GIGAZINE

いい感じの画像を自動生成してくれる

アップロードした写真から勝手にムービーをつくったり,画像加工をしてくれる.気に入ったものがあれば保存できる.一部を紹介しよう.

パノラマ画像ができる

3 枚以上の写真をアップロードすると,パノラマ写真を自動生成する. 登山をした際に山の写真を適当に何枚かとったのだが,後日一枚にまとめられていて驚いた.この時に生成されたパノラマが次の写真だ.

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僕がとったのは,下の3枚の写真だけだ.このうち右 2 枚が使われているように見える.

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アニメーションができる

連続する写真を 5 枚以上アップロードすると,アニメーション GIF を自動生成する.

いい感じにアルバムを自動生成してくれる

旅行に行って写真を撮ってきてアップロードすると,旅行に言った写真のみが抽出されたアルバムが自動的にできていることがある. おそらく写真に埋め込まれたexifから位置情報や撮影情報を見て,自動生成している.

手軽にアルバムをシェアできる

当然,アルバムを手動で作成することもできるし,URLをシェアすることもできる.サービスをつかっていなくてもブラウザがあれば閲覧できるのが便利だ. 通常のアルバムの他に,スライドのように写真を時系列順に並べることもできるストーリーという形式も選択できる.

注意:リンクを知っている人なら誰でもアクセスできる

公開したアルバムは,そのURLを知っている人は写真を見ることができる.このため,不特定多数がURLを知ることができるようにするのは避けたほうが良い.

Google Photosのデメリット

Google photosを写真ストレージとして考えた際の不便な点は次だ.

  • 大容量の写真や動画が圧縮される

殆どの場合問題がないが,印刷物に使いたいとか,元のデータを保存しておきたいとかいう場合,他の保存手段が必要だ.

他の手段はないの?

iCloudに月額課金して容量を増やす

iPhoneユーザに最もシンプルな解答は,Appleに月額料金を支払うことだ.2016年3月27日現在,130円払うことで 50 GBの追加容量を手に入れることができる.他のサービスと比べて価格が安いわけではないが,何も考えないでいいというメリットがある.

iCloud ストレージの価格体系 - Apple サポート

Appleの説明によればiCloudにはオリジナル解像度が保存され,デバイス上には圧縮された画像のみがのこるため,必要最低限の容量しか食わないという設計になっている.

AmazonのPrime Photosを使う

Amazon Primeの会員であれば,無料でオリジナル画質を保存できるサービスを利用することができる.写真のみをアップロードする場合に限り,勝手に圧縮もかからず(ここがGoogle photosより優れている点),容量は無制限だ.

プライムフォト

それでもバックアップは重要:Webサービスはいつか終わる

Webサービスは,企業にとってメリットがなくなればクローズされる.その場合でも写真のエクスポート機能はつくだろうけど,圧縮がかかるおそれがある.元の画質のまま消したくないデータは自分でも保管しておかなくてはならない.
僕は,Google photosには頻繁にアクセスするので,サービスのクローズ時には気づくと思っている.なので,特にバックアップせず利用している.クローズする際にダウンロードすればよいのだ.圧縮されてもべつにいい.
メリットとデメリットを理解したうえで,自分の利用形態にあった使い方をしたい.

「容量無制限」のサービスは悪意あるユーザの攻撃の的になりやすく,一部のユーザがサービスに負荷をかけるために全体の仕組みがうまくいかずに失敗するケースをよく目にする.最近あったマイクロソフトの例を紹介しておく.

OneDriveの容量無制限をマイクロソフトが廃止。無料プランは実質30GBから5GBに縮小 - Engadget Japanese

*1:参考:容量制限が緩和されたGoogleフォト新プランは日本でも開始中、設定はWebからがオススメ - Engadget Japanese

*2:オプションもある.Googleアカウントで利用できるストレージ(15 GB )上限までは好きに写真をアップロードできる(Googleはアカウントに容量をひも付けているので,他のGoogleのサービスで容量をつかっていると,Photosで使える容量は減る).しかし,このオプションは,Photosを継続的に長く使えないので,一般のユーザが選ぶ必要はないだろう.

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